IPXP理論による 暗号資産による株式譲渡<民法上の事実分析>

私法上の性質の分析

暗号資産を保有する者は、秘密鍵の排他的な管理を通じて秘密鍵に紐付いた暗号資産を他のアドレスに送付する事ができる状態を「独占する権利を有する。」

  • 動産類似の「モノ」として動産と同様の取扱がある見解の存在。
  • 目的物の利用を独占する権利という意味での広義の所有権を観念する見解の存在。
  • 暗号資産を権利の対象とし、その帰属については物権法のルールに従うべきとする見解の存在。

いずれもその帰結として「物権的返還請求権」又はこれと同等の請求権が認められるが、この様な「法律の根拠のない物権的権利」を認める見解は、「物権法定主義(民175条)に照らすと現行法の解釈には無理があるのではないかと結論付けられる。

財産権を認める見解に対して

  1. 暗号資産は発行者が存在しない事や所有権の客体は有体物に限定されること(民85条)を根拠に暗号資産の保有は、「物件や債権、社員権、知的財産権」といった財産権を伴うものではないという立場が有力ではないかと考察する。
    また、このような立場は隠当であるように思われ、かつ、物権的請求の恐れが排除されることにより「所有と占有の一致」を原則とする金銭と結論において同様の取扱が確保されることから、暗号資産の「支払い手段」としての有効性の確保という観点からは実質的にも妥当性があるとする見解も存在。

  2. 暗号資産を、参加者全員の合意による一定の規範を法的基礎として観念されるものと捉える見解も存在。
    しかし、その様な合意の有効性が否定された場合の帰結も明らかではない。

  3. プロトコルを事実的な根拠として成立しているのであって重ねて規範的な根拠に観念する必要性はないと思われる。
    実態としても(プロトコルとは区別された)参加者全員の規範的な合意とは考えにくい。

  4. 日本法上は暗号資産そのものが「何らかの権利」または法律関係を表章するわけではない。また、暗号資産の保有者はその残高に対して何らかの権利を有するものではなく、更に暗号資産が何らかの「法律関係の証拠」となっているわけでもない。

  5. 結論(分析)として暗号資産の保有は、秘密鍵の排他的な管理を通じて当該秘密鍵に係るアドレスに紐付いた暗号資産を他のアドレス(MO&KPT)に送付する事が出来る状態を独占しているという事実状態にほかならず、何らの権利または法律関係を伴うものではないと結論付ける。
    そのような「事実状態」に「財産的価値」が認められ、その移転(暗号資産の送付)を伴う様々な取引が行われるのである。そのような取引は契約法によって保護される。また、暗号資産の保有という「事実状態は不法行為法や刑法による保護」を受ける。

  6. KPT GT(DUBAI)が保有する日本法人の株式を諸外国へ再譲渡する場合には、イスラム法(イスラム金融)のシャリアに準拠してその相対取引によって「暗号資産の財産権」との交換条件で成立した譲渡契約である。
    交換価格は保有者が暗号資産を「購入・保有し財産権が成立した時点に遡及した取引」である。
    その時点取引で株価と法貨との固定された取引により、イスラム金融(ファイナンシャル・システム)によって「厳しく規制された投機的なスキーム」を回避する事が可能となった。

  7. 時点取引の際に「未承認株式を取引契約数に準じて」申込時に聴取した暗号資産の保有総数に対する「概算」により遡及して株数を設定し未承認株式の暫定譲渡を行う

  8. 秘密鍵の管理自体は一定の法律関係に基づき、他人を通じて行うことはあるから、暗号資産の保有は事実状態であるとはいっても、一定の法律関係を基礎する場合も想定しており、その意味では民法上の「占有」に類似する側面がある。
    具体的には、ある者が(破産者や法人)の為に他人(破産管財人や法人の役職員)が秘密鍵を管理する場合、いわゆるマルチシグ技術により生成された同一のアドレスに係る「複数の秘密鍵」を管理する場合も想定する。
    この様な場合、対応する暗号資産の処分の対価を誰が受領すべきかは、根拠法となる法律関係で定めるべきである。
    つまり、貸付の担保となる株式が「債権回収の保全」となる対策(不良債権化のリスク回避)として遡及して「法貨と暗号資産の購入金額」を固定して株式の譲渡を行うこととした。

  9. 民法の不当利得や不法行為、相続、また、信託法、民事執行法の財産的価値がいずれの者に「帰属」するかが重要であり争点と認識する。
    いずれも、単に秘密鍵を誰が知っているか(又は知り得るか)だけでなく、前述のように秘密鍵の管理に関わる法律関係も勘案して当該暗号資産の財産的価値が「いずれの者に帰属」するのか判断するべきである。
    さらに、マルチシグ技術を用いて一定の暗号資産について、KPT GTと保有株主の二者がそれぞれの管理を行う場合は判断が容易ではないと認識する。
    これらの法制度との関係や、いずれの者(財産)に帰属するかではなく、どの「時点で帰属が変更されたと評価すべき事項」も重要な争点であると認識します。
    暗号資産の送付は、たとえ承認があったとしてもこれにより確定的なものとなるわけではなく、典型的には送付者が二重に暗号資産を送付した為に複数の承認が競合して暗号資産が分岐し、承認を受けたはずの一方の送付者が事後的に否定される場合もあり得る。
    このように不確実性が露呈した暗号資産による株式代金(対価)は相当なリスクを伴うので、購入時点を基準に株式を譲渡して、乱高下に伴う算定基準には「暗号資産限定株式を発行して相場による損失を吸収するためにKPT GTの保有する日本法人の株式の算定基準(時価)を任意で調整できるようにした。」

  10. 時点取引された後のアクセスは暗号資産の時価の乱高下により予測不可能な状況下でも、KPT GTの委託した業者(MO&KPT)の収納代行ワレットへの転送を行う場合がある。
    つまり、時点取引後の「暗号資産秘密鍵に紐付くDATAの取引に関しては不確実性」があっても「仮想空間上の情報(DATA)の移動は特定する法域が存在しない」ので「直接的な金融商品ではない為」に、イスラム法には抵触しないと認識する。KPTの収納ワレットに移転された後は指定交換所を経由して委託業者(MO&KPT)の銀行口座に「法貨」が入金され、更にKPT GT 日本支社の銀行口座(UFJ)及び他の提携先へ入金されるが、株式の未承認及び本契約が未締結(未完了)の為に一時的に保管するが、暗号資産保有者の資金需要に鑑み交換総額に比例した未承認株式の「時点株価」から算出して株数を確定し、その未承認の株式を担保に92%を貸し付ける。(受付スタンプのみの仮賃貸借契約を作成)仮払い性の貸付時点の法貨はイスラム金融規制には抵触しない。(8%は事務手数料)

  11. KPT GTと暗号資産の保有者との契約の手順は、最初に株式購入申込書に法貨にて「証拠金」を支払い、本契約の意思表示を明確にする
    次に、KPT GTが作成した業務提携契約書(英語・アラブ語表記・日本語訳付き)に必要事項を記入して、KPT GTの事務代事業者(MO&KPT)が受付のスタンプを押す(申込受付)を行い、原本をKPT GT(DUBAI 本店)へ送付又は持参して、その後イスラム法(イスラム金融システム)を遵守した取引かどうかを審査し、合法であればローカルパートナー又は日本における代表者の「自筆の署名」を行い契約の完了とする。
    本契約が完了後に「転送不可条件」の付いた郵便物かPDF等で送付する。

<日本法を準拠法として行うデリバティブ取引>分析

  1. 暗号資産を原資産とし、または暗号資産の価格を参照指標とするデリバティブ取引を行う事は可能であり、現に外国為替証拠金取引(FX取引)と同様の形態で行われている例もある。
    なお、当該デリバティブ取引が賭博に関する罪を構成する場合には当該デリバティブ取引は「公序良俗無効」(民90条)となることも推認される。
    従ってイスラム金融システムを基礎に構成されたIPXPシステムは「不確実性のある投機的商品」や「賭博行為に転用される可能性」を鑑み、その取引は保有者が購入した時点取引によって決定される金額を対象として株式譲渡を行っている。

  2. 暗号資産取引は金商法上の「店頭デリバティブ取引」にも商品先物取引法上の「店頭取引デリバティブ取引」にも2020年5月法改正により)該当すると認識する。
    また、銀行法上の「金融等デリバティブ取引にも該当する。また、先物外国為替取引にも該当すると認識する

  3. 金商法の改正により暗号資産がデリバテイブ取引に組み込まれる事になったがIPXP理論による全ての株主間取引は、GCM(グローバル・キャッシュ・マネジメントの観点から「インハウスバンク」内での帰結条件により、適用除外と認識する。

<暗号資産の担保取引>・・・・・分析

  1. 日本法上、暗号資産の財産権に対して否定する見地から暗号資産に対する担保物件を設定することはできない。
    しかし、他のアドレスに秘密鍵を用いて「送付する権利」に対して、何らかの根拠でかかる財産権の準拠法として日本法が指定される限り、かかる財産権に対する質権(権利質)が認められる。(民362条)
    つまり、KPT GTは財産権(所有権)のない暗号資産ではなく「送付する権利」に着目し株式の譲渡条件とした。
    その、送付権と時価とされる仮想通貨の相場を参照し、交換された株式を担保に92%を限度額として貸付を行った

  2. 保証金または現金担保と同様の方法で譲渡済株式(有価証券)を担保にして株主優待の一環として「企業内優先貸付」を行う事は当然である。
    すなわち被担保債権にかかる債務者が債権者に対して担保の目的で「譲渡済株式」を貸し付け、または寄託するかたちでの消費貸借または消費寄託を行う、担保実行時には債権者は、当該株式の返還債務を(担保取引にかかる契約の定めに従って)その時価評価額の金銭債務に転換し、当該債務と被担保債権を相殺する。

2020年10月8日
作成 KPT General Trading LLC
日本における代表者
多和田真一