法務前払式支払手段発行者の体制義務

 体制整備義務として、前払式支払手段発行者には、情報安全管理措置(資金決済法21条)、加盟店等が提供する商品サービスが公序良俗を害する恐れの無いよう、必要な措置を確保(資金決済法10条1項3号)し、加盟店に対し支払いを適切に行うために必要な体制(同4号)。法令遵守体制(同5号)を整備せねばならない。
 その他に、金融商品、サービスにおけるトラブル解消のための金融ADR制度に関する措置を講じる義務は無い。

 2017年6月現在において、前払式支払手段発行者は犯罪収益移防止法上の特定事業者としては指定されておらず、それにより犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認義務および疑わしい取引の届出は不要となっている。

 前払式支払手段発行者に対する監督規定として、財務局長および財務支局長には報告徴求、立入検査や業務改善命令、業務停止命令および登録取り消しを行う権利を有している(資金決済法24〜27条、前払式支払手段に関する内閣府令46〜49条)。

 2017年4月現在、自家型前払式支払手段発行者の届出を行っている事業者は870社、第三者型前払式支払手段発行者の登録を受けている事業者は994社あるが、現状の課題としてITの進展を背景としたサーバー型の前払式支払手段が増加しており、ゲーム内通貨やアイテムなどがこの定義に含まれるか否かが不明確な点である。

 規制緩和及び修正の動きとして、「日本再興戦略改定2014」においてキャッシュレス決済に向けた取り組みが必須とされ、前払式支払手段分野において内閣府令が改正された。訪日外国人が本邦滞在時に利用した前払式支払手段について、帰国時に払い戻しができる事を明確化するなど。
 また、2017年4月1日施行の改正資金決済法で表示義務を情報提供義務に置き換え、柔軟な情報提供を許容。年2回の基準日を年4回にできる。
 業務廃止時における払い戻し広告を電子公告で行える。これらの規定が盛り込まれ、情報通信技術進展に伴う手当が成されている。