国税通則法国税通則法における国税納付義務確定 其の三 更正又は決定

1.更正

(1)更正 ← 申告があり、その内容が調査等と異なる場合

納税申告による課税標準等又は税額等が、国税に関する法律の規定に従って計算されていない時や、課税標準等又は税額等が調査した所異なる時は、税務署長はその調査により、課税標準等又は税額等を確定する処分を行える(通24)。
この処分を「更正」といい、この処分により納付すべき税額が増せば「増額更正」、逆に減れば「減額更正」となる。
減額更正においては、更正請求に基付くものと、税務署長職権によるものとがある。
税務署長の行った更正又は決定に誤りがあった時、同じく更正が成されるが(通26)、これを「再更正」という。

(2)更正する場合等

(3)更正の為の調査

更正は原則その処分を成す際におけるその国税納税地を所轄する税務署長が行う(通30)。
従って「更正の為の調査」も原則当該税務署長又は当該税務署長関係職員が行うが、納税者の営業所が管轄を域外の遠隔地にある場合等特殊な事情がある場合には、他に調査嘱託を行う事もある。
又例外として、国税庁又は国税局職員が調査する場合もある。 

更生の為の調査に限らず、税務署当該職員は、国税に関する調査について必要範囲内で、納税義務者その他特定の関係人に対し質問し、又は関係帳簿書類その他物件を検査する等の権限を有しており、右質問に答えず若しくは偽りの答弁をし、又は検査等職務質問を妨げた場合は罰則が適用される(通74の2~6、127二等)。

所得税法第156条(推計による更正又は決定)
「税務署長は居住者にかかる所得税につき更正または決定をする場合、その者の財産若しくは債務増減状況、収入支出状況又は生産量、販売量その他取扱量、従業員数その他事業規範により、その者の各年分の各種所得金額又は損失金額(その者の提出した青色申告書にかかる年分の不動産所得金額、事業所得金額及び山林所得金額並びにこれら金額計算上生じた損失金額を除く)を推計して、これをする事ができる。」

法人税第131条(推計による更正又は決定)
「税務署長は内国法人にかかる法人税につき更正又は決定をする場合、内国法人の提出した青色申告書にかかる法人税の課税標準又は欠損金額の更正をする場合を除き、その内国法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税につき更正又は決定をする場合にあっては、連結子法人を含む)の財産若しくは債務の増減状況、収入支出状況又は生産量、販売量その他取扱量、従業員数その他事業規模により、その内国法人にかかる法人税の課税標準(更正をする場合にあっては、課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額)を推計して、これをする事ができる。」

2.決定

(1)決定 ← 申告がなかった場合

納税申告書提出義務があると認められる者が、当該申告書を提出しない場合、税務署長はその調査により、当該申告書にかかる課税標準等又は税額等を確定する処分を行う(通25)。この処分を「決定」という。

尚、決定しても納付すべき税額又は還付金額に相当する税額が生じない時は、その実益がないので、決定は成されない(通25但書)。

決定は原則、法定申告期限前において行う事はできない。又当該期限後においても期限後申告書その他の納税申告書が提出されると、その後においては決定を行えない。

3.再更正

(1)再更正

税務署長は更正又は決定した後、その更正又は決定した課税標準等又は税額等が過大、過少である事を知った時は、その調査により当該更正又は決定にかかる課税標準等又は税額等を更正する(通26)。

(2)更正、再更正

(3)更正、再更正と修正申告

更正、再更正、修正申告は、納付すべき税額等の確定手続として繰り返し行う事ができる。例えば修正申告又は更正、再更正が二度以上に渡り行われる場合もあり、又更正後に修正申告が行われ、その後更に更正が行われる事もある。

更正又は決定処分後に修正申告があった場合において、その修正申告後の課税標準等又は税額等を更に変更する為の処分を成す時は、その処分は「再更正でなく「更正」である。
つまり再更正は「更正又は決定にかかる課税標準等又は税額等」を変更する処分だからである。

(4)再更正をする場合等

再更正をする場合等
再更正をする場合:税務署長が更正(再更正含む)又は決定をした後その更正は又は決定した課税標準又は税額等が過大、過少である事を知った場合
再更正する事項:更正又は決定にかかる課税標準等又は税額等

4.国税局等職員の調査に基付く更正又は決定

通則法第24~26条の場合(更正、決定、再更正)において、国税庁又は国税局当該職員の調査があった時は、税務署長は当該調査した所に基付き、これら規定による更正又は決定をする事ができる(通27)。

5.更正又は決定の手続

更正は、更正前を更正後の課税標準等又は税額等並びに増減した税額等を記載した更正通知書を送達し行われる(通28①②)。
又決定は課税標準等又は税額等を記載した決定通知書を送達し行う(通28③)。

これら通知書は、更正又は決定が国税庁又は国税局職員の調査に基付く場合には、その旨を附記し(通28②)、又更正又は決定が所謂不利益処分である場合、行政手続法の規定に基付き理由附記を行う事とされている事から、通知書にはその処分の理由についても記載が求められる。
更にこの様な不利益処分に不服がある場合は、不服申し立てができる旨と不服申立てをする相手先及び申立期間を教示する事とされている(行審82)。

更正通知書記載事項等

決定通知書記載事項
決定は納税申告書提出がない場合における処分なので、決定通知書には当該申告書の記載事項である課税標準等又は税額等を記載すべきものとされている。

尚、決定が国税庁又は国税局職員の調査した所に基付き成された場合には、決定通知書にその旨を附記せねばならない事は、更正通知書同様である(通28③)。

6.更正又は決定ができる期間

更正又は決定については、原則その更正にかかる国税の法定申告期限から五年以内とされている(通70)。

参考迄に更正通知書の附記理由を記しておく。税務署長は居住者の提出した青色申告書にかかる年分の総所得金額等又は法人の提出した青色申告書にかかる法人税の課税標準等の更正をする場合は、更正通知書にその更正の理由を附記せねばならない(所155②、法130②)とされている。
尚、白色申告書についても原則、平成25年1月1日以降の処分より更正通知書にその理由を明らかにせねばならないとしている(通74の14①)。