国税通則法国税通則法における国税納付義務確定 其の一 納付義務の成立、確定

1.納付義務成立から確定の概要

(1)納付義務

これは国側から見れば「租税債権」で、納付義務側から見れば「組織債務」と言える。
この納付義務について、各税法に定める課税要件が充足すると抽象的に発生(成立)し、特例のものを除いては、その後の所定の確定手続を経て、初めて具体化(確定)する。

つまり租税債権債務は、元々各税法の規定により当然に発生するものだが、その内容は、課税要件たる事実を把握し、これに関係法令の規定をあてはめ課税標準及び税率計算を行う事により判明するものである。
この様な行為は、税法が複雑難解で、その租税債権債務の特殊性がある事からみて、その発生後直ちに履行段階に移行する為の確認手続をとる事により、初めて抽象的な債権債務が具体化される。
この際の債権債務発生が「成立」であり、特定の確認手続による債権債務具体化が「確定」に該当する。

(2)確定の為の行為

  1. 抽象的租税債権債務具体化する為の行為(確定の為の行為)

  2. 上記イ以外に国税の内には、納税義務成立と同時に特別の手続を要せず納付すべき税額確定

(3)納付義務履行 納税義務消滅

2.納税義務成立

(1)納税義務成立の意義

納税義務成立は、国側から見れば国民(納税者)に対して租税という形で金銭的納付を請求しうる権利(抽象的租税債権)の発生という事になり、国民(納税者)側から見れば国税を納付せねばならない義務(抽象的租税債務)の発生になる。

従って納付義務成立には、租税法律主義原則に基付き、国税に関する法律に定める要件が満たされる事が必要である。

この要件が「課税要件」と呼ばれるもので、その内容は所得税法、法人税法等各税法に規定されている。
 
課税要件として、下記に記す。

(2)成立の時期

納税義務成立は税目により異なり、その成立時期は各税目毎に定められている(通15②)。

(3)成立の効果

申告納税方式国税の場合

  • 納税者:納税申告義務を負う。
  • 税務署長:構成又は決定(賦課課税方式の場合は、賦課決定)を行う権利が生じる。

3.納付すべき税額確定

(1)確定の意義

納付すべき税額確定は、その後の納税義務履行手続の前提要件となる。
即ち確定がなければ納付はなく徴収もない。例えば納税義務が成立していても確定がなければ納付された税額は、原則誤納となる。

尚一旦確定した税額でも、真の税額と異なる事が判明した時は、その後の確定手続により、増額、減額が成される。

イ.納付すべき税額確定形態
  1. ① 納税義務成立後特別の手続をとる事により、初めて確定するもの
  2. ② 納税義務成立と同時に法律上当然に確定するもの

因みに納付すべき税額確定の際の「確定」とは、判決確定力などの際の確定とは異なり、一旦確定した税額が、その前提となる抽象的、客観的納税義務と内容が異なるという理由で、除(じわからない)期間(徴収権の消滅時効)内は、更に二度三度と変更確定され得るものである。

ロ.確定の為の手続

納付すべき税額確定する為の手続については、申告納税方式、賦課課税方式がある(通16)。

(2)自動確定の国税 確定の為の特別の手続を要さぬ国税

国税の内には課税要件である事実が明白で、税額計算が容易である為、納付すべき税額確定手続を要さぬものがある。納税義務成立と同時に特例の手続を要さず納付すべき税額確定する国税は下記の通り(通15③)。

(3)確定の効果

納付すべき税額確定により、下記の効果が生ずる。