国税通則法国税通則法における国税調査(税務調査手続)其の三 税務調査終了の際の手続

1.調査終了の際の手続

税務当局の納税者に対する説明責任強化の観点から、調査終了の際の手続について、通則法において下記の通り法令上明確化されている(通74の11)。

2.更正決定等すべきと認められない場合

国税に関する実地調査を行った結果、更正決定等すべきと認められない場合に、税務署長等は、納税義務者に対し「その時点において更正決定等をすべきと認められない」旨を書面にて通知する(通74の11①)。

通則法74条の11第1、2項の規定は、再調査決定や申請等の審査の為に行う調査など更正決定等を目的としない調査には適用されない(調査手続通達5-1)。
又、同条1項規定の「更正決
定等」については、更正若しくは決定又は賦課決定の他、源泉徴収等による国税(通2ニ)でその法定納期期限迄に納付されなかったものに対し税務署長が行う納税告知(通36①ニ)に加え、直接納税方式の国際観光旅客税でその法定納期限迄に納付されなかったものに対し、税関長が行う納税告知を含むものとされている(通74の11、通令30の5)。
尚「更正決定等」の範囲については調査手続通達5-2でも明らかにされている。

又再調査決定や申請等の審査の為に行う調査など、更正決定等を目的としない調査については、調査結果通知等に関する規定(通則法74の11第1、2項)は適用されない(調査手続通達5-1)

3.更正決定等すべきと認める場合

(1)調査結果内容の説明等

調査の結果、更正決定等すべきと認める場合、税務職員は納税義務者に調査結果内容(更正決定等すべきと認めた額及びその理由)を説明する事とされている(通74の11②)。

又、説明の際、当該職員は納税義務者に対し、修正申告又は期限後申告を勧奨でき、この場合「その調査結果に関しその納税義務者が納税申告書を提出した場合には、不服申立てする事はできないが、更正請求する事はできる」旨を説明すると共に、その旨記載した書面を交付する事とされている(通74の11③)。

(2)修正申告等勧奨

調査の結果、更正決定等すべきと認める場合

(3)調査結果内容説明後の調査再開及び再度説明

通則法74条の11第2項の規定に基付き、調査結果内容説明後、当該調査について納税義務者から修正申告書、期限後申告書の提出若しくは源泉徴収にかかる所得税納付が成される迄の間又は更正決定を行う迄の間において、当該説明の前提となった事実が異なる事が明らかとなり、当該説明の根拠が失われた場合など、当該職員が当該職員にかかる内容の全部又は一部を修正する必要があると認めた場合、必要が応じ調査再開の上、その結果に基付き、再度調査結果内容説明ができる(調査手続通貨5-4)。

(4)納税義務者の同意がある場合の連結親法人又は税務代理への通知等

前述2.の「更正決定等すべきと認められれない場合」及び3.の「更正決定等すべきと認める場合」については、納税義務者が連結子法人である場合又は税務代理人がある場合には、当該納税義務者への通知に代えて、其々下記の者に行えるとされている(通74の11④⑤)。

4.調査終了手続にかかる書面交付

調査終了の際の書面交付にかかる手続について、通則法12条4項(書類の送達)及び通則法施行規則1条1項(交付送達の手続)の各規定が適用される(調査手続通達5-5)。

5.再調査「更正決定等すべきと認められない旨の通知又は修正申告等の提出等」の後における再調査

通則法74条の11第1項の通知後又は同条2項の調査(実地調査に限る)の結果につき、納税義務者から修正書、期限後申告書の提出若しくは源泉徴収等による国税納付があった後は若しくは更正決定等をした後においても、新たに得られた情報に照らし、非違があると認める時は、当該納税義務者に改めて質問検査等(再調査)を行える(通74の11⑥)。

この様に再調査は、前回調査が実地調査に限られる為、前回調査が実地調査以外の調査である場合、「新たに得られた情報」がなくても、調査について必要であれば再調査を行えるとされている(調査手続通達5-6注1)。